入荷！日本甲冑の実証的研究
山岸素夫/著 1994年 日本甲冑の実証的研究刊行会/発行
著者・山岸素夫は篤学の士である。航空工学専攻から甲冑の研究に転向したのは壮年になってからのことである。その甲冑も戦乱に機能した中世甲冑を中心にしたものある。師事した内もっとも直接指導を受けたのは山上八郎さんである。自然科学の専攻者である著者の方法論は必然的に科学的、客観的を志向している。「記録と信憑性の高い文献と資料批判に堪える遺物を重視し、全国の遺物を視野に収め、科学的・客観的な視点に立っての計測・対比・考察、戦場の実用具としての構造面・機能面の検討、および武器や戦闘様式に対応しての変遷の過程の証明を志したのである。マイクロレンズを用いて甲冑の細部にわたり多数の写真を撮影して参考とする」
山上八郎先生の学統を継承しながら、別の道を試行・模索を繰り返し独自の研究法を選択し実行している。
