『浜松中納言物語全注釈 上下2冊揃 研究叢書329』新たに入荷しました!
中西健治 和泉書院 2005年刊
平安時代後期に成立した後期王朝物語の一つ、「浜松中納言物語」に詳細な注釈を施した大著、『浜松中納言物語全注釈 上下2冊揃 研究叢書329』が入荷いたしました。
平安時代の物語といえば、おそらく「源氏物語」が最も有名でしょう。この他にも、平安時代には「伊勢物語」「うつほ物語」「栄花物語」「狭衣物語」など多くの優れた物語が成立しました。「浜松中納言物語」もその一つで、「源氏物語」の影響を大きく受け成立したといわれています。
物語の舞台が唐の国(現在の中国)に設定されていたり、生まれ変わり(輪廻転生)の描写があったり、内容はなかなか面白いのですが、1000年近く前に成立したため、現代の私たちが原文を読むことは簡単ではありません。そのような状況で本書のような注釈書が存在しているのは大変ありがたいことですね。
本書は「浜松中納言物語」についての注釈書です(おそらく、「現在最も詳しい注釈書」といっても間違いではないでしょう)。上下巻2冊で1300ページを超える分量があり、内容は本文、口語訳、注釈、補説から構成されています。詳細な注釈を読んでみると、現代語訳からだけでは伝わらない言葉の微妙なニュアンスを感じることができ、物語の世界がより豊かなものとなりそうです。
「浜松中納言物語」の世界にどっぷりとハマってみたい、そんな方はこの機会に是非ご検討ください。