新商品! 『本朝無題詩全注釈 全3冊揃 新典社注釈叢書』
本間洋一 新典社 1992年刊
平安時代末期の漢詩集「本朝無題詩」の注釈書、古典文学作品に詳細な注釈を施すことで知られる新典社注釈叢書の一つ、『本朝無題詩全注釈』が全3冊揃いで入荷いたしました。
平安時代の文学といえば和歌や物語がその代表でしょう。しかし、唐(現在の中国)の文化的影響を非常に強く受けた時代であることを考えると、漢詩を軽視することはできません。770首を超える詩を収録した「本朝無題詩」は、平安時代の漢詩集の中でも最大規模の詩集です。
「無題詩」とは聞き慣れない言葉ですが、これは古い詩歌などの一句を用いて和歌や漢詩の題とする句題詩に対する概念で、詩の題が無いという意味ではありません。平安時代の漢詩といえば空海や菅原道真の作品を思い浮かべることが多いでしょう。しかし、「本朝無題詩」に収録されている詩の作者は平安時代後期に活躍した人々です。特に藤原式家ゆかりの人物の作品が多く収録されていることで知られています。
本書では「本朝無題詩」十巻本に収められている全ての作品に、訓読、語釈、現代語訳が付けられています。巻末には参考文献を列挙した「『本朝無題詩』研究文献摘要」などもあり、「本朝無題詩」について知りたい方には大変有益な書物となっております。