新しく『人物で読む源氏物語』全20冊揃 が入りました。
室伏信助監修 上原作和編 勉誠出版 2005年刊
日本の古典文学を代表する作品である源氏物語、この大長編の登場人物に焦点を当て編集した勉誠出版の叢書『人物で読む源氏物語』が全20冊揃って入荷いたしました。
源氏物語は昔から親しまれてきた作品ゆえに、注釈書、現代語訳、研究書、その他関連書籍のたぐいは、それこそ「星の数ほど」と形容したいほど数多く刊行されています。そのような状況下、登場人物に注目して源氏物語を検討してみようというユニークな試みを実現したのが、本書『人物で読む源氏物語』です。五十四帖という長大な分量をもち、その中に数々の魅力的な人物が登場する、源氏物語のような作品だからこそ可能な試みですね。
本書には、原文・現代語訳・注釈に加え、各人物にまつわるコラム、研究をリードしてきた過去の論文の一部、さらに書き下ろしの論文まで収録されています。この本を読めば、現在に至るまでの源氏物語人物論の概要はほとんど知ることができるのではないでしょうか。それにしても、一人(数人の場合もありますが)の人物に焦点を当てるだけで一冊の本ができてしまう源氏物語のもつ底深さには驚かされます。
今年は作者とされる紫式部の生涯がドラマ化され、源氏物語も大きく注目されています。この機会に、今までとは異なる視点から源氏物語を読むのも面白いかもしれません。