新たに『赤壁賦印譜』限定200部が入荷しました!
布施醉石ほか 中国西泠印社 1982年刊
蘇東坡の前後赤壁賦を題材とした原鈐印譜『赤壁賦印譜』一帙四冊が入荷いたしました。
「赤壁賦」は中国宋時代の蘇東坡(蘇軾)が、黄州へ流罪となっているときに作った、前後二編からなる文学作品です。数多い蘇東坡による作品の中でも傑作の一つに数えられ、その優れた内容から古来多くの文人や書家が作品の題材としてきました。本書もそれらの作品の一つということができるでしょう。
収録されている印の製作者は日本刻字協会有志の人々です。刊行委員会の会長である布施醉石のほか、内藤香石、長揚石、渡邊寒鷗、初見一雄といった人々が名を連ねています。都合180顆分の印影を収録しており、もちろん印刷ではなく彫られた印を直接捺した原鈐印譜です。
印を捺す作業と印の捺された紙を製本する作業は、篆刻の聖地、中国の西泠印社で行われました。当時の副社長王个簃が題簽、同じく副社長の銭君匋が序文を書いています。ちなみに、いわゆる扉ページも王个簃によるものですが、そこには王氏の落款印が捺されています。少しお得な感じがしますね。
180顆もの印影が収録されているため、銭氏の序文にあるように、各印影に製作者の個性を見ることができます。書家、篆刻家、そのほか印を好む全ての方が見ていて楽しい書籍でしょう。