新着商品のご案内 『行基事典』(国書刊行会)
井上薫編 国書刊行会 1997年刊
飛鳥時代から奈良時代にかけて、現在の近畿地方を中心に活躍した傑僧、行基に関する事柄を集成した事典『行基事典』(国書刊行会)が入荷いたしました。
行基、皆さんは知っていますか。僧侶といわれて思い浮かぶのは、最澄、空海、法然、親鸞、道元といった、平安時代から鎌倉時代あたりに活躍した人々であることが多いかと思います。行基は彼らより古い時代に活躍した僧侶です。奈良県の玄関口、近鉄奈良駅前に噴水のようなモニュメントがあることを、奈良県を訪れたことのある人はご存知でしょう。あのモニュメントの上に立っている像が行基の像です。
行基は寺院建立のほか、橋や堀の建設、旅人を保護する布施屋と呼ばれる施設の設置など、今日いうところの社会事業に力を尽くしたと伝えられています。そのような功績もあって多くの民衆に慕われた行基は、東大寺の大仏建立の際には勧進を主導し、後に日本初の「大僧正」という位に叙せられます。
さて、本書『行基事典』はそんな行基に関する事柄を網羅した一冊です。18名もの執筆者が様々な角度から行基について解説しています。行基について詳しく知りたいという方にはもちろん、日本仏教史に興味がある方、社会福祉や社会事業に関心があるという方も一読して損は無い一冊でしょう。