新たに ブローデル『物質文明・経済・資本主義』全6冊揃い が入荷いたしました。
ブローデル 上村光彦訳 みすず書房 1995年刊
アナール学派を代表する歴史学者フェルナン・ブローデルの大著『物質文明・経済・資本主義』全6冊揃いが入荷いたしました。
『大地と人類の進化 歴史への地理学的序論』や『ラブレーの宗教 16世紀における不信仰の問題』などで知られるリュシアン・フェーブルと、『封建社会』や『王の奇跡』などで知られるマルク・ブロックを中心として刊行された「社会経済史年報」に集った人々は、20世紀フランスの歴史学や思想など、様々な分野に大きな影響を与えます。それらの人々は、フランス語で「年報」を意味するアナールという言葉からアナール学派と呼ばれるようになりました。
本書の著者ブローデルも、そのアナール学派と呼ばれる人々の一人です。地中海を取り巻く環境や人間の活動を描いた大作『地中海』(原名は「フェリペ2世時代の地中海と地中海時代」)をご存知の方もいらっしゃることでしょう。日本語版では、1冊あたり500ページ前後の本が5冊組になっている書籍で、気軽に購入するものでもないように思うのですが、当店でも頻繁に入荷するところをみると、日本でも人気の高いことが推測できます。
『物質文明・経済・資本主義』は、『地中海』に次ぐ大作ともいわれるブローデルの作品です。『地中海』はブローデルの生涯の比較的前期に書かれたものですが、本書はその晩年に書かれた作品です。『地中海』をお読みになった方には、ぜひ本書の一読もお勧めいたします。