新着のお知らせ 『江戸吉原叢刊』 全7冊揃
八木書店 2010年刊
江戸時代の遊女に関する評判記や吉原細見を集成した、八木書店の『江戸吉原叢刊』が全7揃いで入荷いたしました。
収録の対象となったのは、明暦の大火前に現在の日本橋辺りに位置したいわゆる元吉原時代から、その後日本堤へ移転して新吉原といわれた時代まで、およそ250年の間に著された評判記類です。
江戸の吉原といえば、当時最も煌びやかな場所というイメージはないでしょうか。テレビドラマなどで表現される吉原を見ると、遊女たちの絢爛豪華な衣装、華やかな調度品、賑々しい歌舞音曲など、日常ではみることのできない、まるで桃源郷を見るような気持ちになりますね。そんな吉原は当時の人たちにとっても憧れの存在だったようで、現在でいうところの案内や口コミの類を記録した文書が残っています。
本書には、そんな吉原関係の記録が多数数録されています。吉原についての記録は随筆など様々な形態で残されていますが、本書に収められたのは、いわゆる評判記の類です。また、第七巻には宝永から明治までの吉原細見31種が影印の形で収録されており、全巻に目を通せば江戸吉原の実態の概要を把握できるような叢書となっております。
江戸時代の文学や芝居、浮世絵などをみていると、吉原を題材としたものが少なくありません。江戸の文化や芸術に関心のある方には、ぜひ一読していただきたい叢書です。