『延慶本 平家物語 本文篇・索引篇』全4冊揃い の入荷です

北原保雄ほか編 勉誠社 1999年刊 

平家物語は鎌倉時代に成立したといわれる軍記物語だ。

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり云々」という冒頭の書き出しはあまりにも有名であり、授業などで暗記してしまったという人も少なくないだろう。

古典文学を代表する作品として一般に広く知られている平家物語だが、その成立年代や作者などについて正確なことはわかっておらず、古くから様々な説が唱えられている。

現在までに残っている平家物語の諸本は、大きく二つの系統に分けることができる。

盲目の僧侶であり各地を巡りながら平家物語を語り聞かせたであろう琵琶法師が伝えた内容を持つ「語り本」に属する系統と、読み物として加筆されていった「読み本」に属する系統の二種類だ。

「延慶二年」の奥書を有する延慶本は、「読み本」の系統に属する。従来、「読み本」の系統は「語り本」の系統よりも後にできたものとする意見が多数派であった。

ところが、近年では「読み本」系統の本が「語り本」系統の本よりも先に成立したのではないかという意見も有力になってきている。そのため、延慶本の存在価値は更に高まったと言えるのではないだろうか。

平家物語研究を志す人であれば、一度は目を通さなければならない文献の一つだろう。

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延慶本 平家物語

 


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