新着!『松浦友久著作選』全4冊揃い
研文出版 2003年刊
松浦友久、1935年生、2002年没、静岡県出身の中国古典文学研究者。
詩経や唐詩などの業績を残した目加田誠などに師事した。目加田は、倉石武四郎や吉川幸次郎などと世代を同じくした、同時代を代表する中国文学研究者だ。『洛神の賦』などの著作のほか、『唐詩選 新釈漢文体系』などの注解書を数多く残した。
松浦氏も漢詩や漢文学史、比較文学などを中心とする業績を残した。特に唐詩に関する著作、編著、注釈は数多い。専門的な業績を残したことは言うまでもないが、一般の人が漢詩などの作品に親しみやすいように工夫された書籍も多く残している。
例えば、有精堂から刊行された『漢詩の解釈と鑑賞 唐詩を中心に 』や大修館書店から刊行された『漢詩の事典』『唐詩解釈事典』などを挙げることができるだろう。また、漢詩好きの人の中には、岩波文庫の『李白詩選』や『杜牧詩選』を愛読している人も少なくないだろう。これらの本の注釈者も松浦氏だ(一部共編訳)。
本書『松浦友久著作選』は著者逝去後に編纂された著作集だ。松浦氏の論考をまとめて読むことのできる書籍なので、中国文学の研究をする人には大変有益な書籍だろう。