『訓読玉葉』全7冊揃 の入荷です
高橋貞一 高科書店 1988年
玉葉は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて、公家である九条兼実によって書かれた日記だ。
平安時代末期から鎌倉時代初期という時代は、それまでの院政体制が武家体制という新たな政治体制へと変化した時代だ。
平清盛が徐々に頭角を現し、その栄華を極め、やがて没落して源氏の主導する世の中へと移ってゆく。まさに平家物語に書かれているような騒乱の起きた時代に書かれていた記録だ。
著者は関白などにも任ぜられた朝廷の顕官だ。それゆえ当時のことを知るための貴重な史料とされている。
当然のことだが、平安時代から鎌倉時代へかけての記録であるため、原文は漢文で書かれている。読みにくい漢文を現代人にも読みやすい文章へ改めてくれたのが本書だ。
源平騒乱や有職故実に興味のある方には、ぜひ一度手に取ってもらいたい書籍だ。